抗がん剤について理解する前にこれだけは知っておきたい、がんについて。
私たちの体は、約60兆個もの細胞が集まって成り立っています。
この60兆もの細胞のそれぞれが分裂し、増殖する一方で、
古くなった細胞・寿命を迎えた細胞は死んでいきます。
この「今ある細胞と、同じ機能を備えた新しい細胞が出来、
そして、古い細胞が死んでいく。」ということ。
これが、私たちの生命を維持するためには欠かせないことなのです。
がんとは、私たちの体を構成する「細胞」が、
生命を維持するために必要な増殖調節ができなくなり、
無秩序に増えつづけるようになったものです。
つまり、古い細胞が、死ななくなって増え続けているのです!!
その異常増殖する細胞(がん細胞)は、
最初に存在した場所を超えて、周囲の正常組織を壊しながら拡がっていきます。
このがん細胞が、
周囲の血管やリンパ管を壊し、その中に侵入すると、
血液やリンパ液の中流れによって、
最初にがんができた場所から離れた場所でも増え続けることになります。
これが「転移」と言われるものです。
がんがヒトの死因になるのは、
転移によって拡がった先で、臓器が破壊され、
生命の維持に必要な機能が充分に行えなくなることに因ります。
「がん」は、恐ろしい病気ではありますが、最初に発生したところで、
完全に除去したり、アポサイトーシス(細胞を殺す)することが出来れば、
命を落とすことなく、完治することの出来る病気なのです。
そのために必要不可欠なのが「抗がん剤」です。
魚油は、肉や野菜に含まれる油とは、構造が違います。
新鮮な魚を食べたり、サプリメントとして摂取することができます。
魚油は、肉や野菜に含まれる油とは、構造が違います。
新鮮な魚を食べたり、サプリメントとして摂取することができます。
”魚油はがんやその他の病気に有効である”という研究の大部分は、
サプリメントとしてではなく、魚を食べる人についてのものです。
そのため、健康食品よりも魚そのものを食べるほうが効果的かもしれません
魚油のサプリメントは、通常サバ・ニシン・マグロ・
オヒョウ・サケ・タラの肝臓・クジラの脂身・アザラシの脂身から作られます。
魚油を摂取することで、進行がんの患者における体重減少を抑えたり、
進行したがんの人の食欲減退を改善したりするといわれることもあります。
また魚油は、中性脂肪と呼ばれる脂肪の血中値を著しく低下させるので、
心臓病になる機会を減らすことができます。
魚油の効果については、最初の心臓発作後数時間以内に摂取し始め、
1年間とり続けた場合、2回目の発作は起こらない、という研究結果もあります。
この中性脂肪が高いと、血管の中に脂肪の塊が出来、血液の流れが悪くなり、
心臓やの血管で、血が通らなくなったり、血管が破裂したりします。
魚油を摂り続けることは、心臓発作・脳梗塞の予防に非常に効果的です。
また、高血圧の人で血圧を下げたり、
関節リウマチの人が魚油をとっていると、
朝の体のこわばりが少なくなるといわれたりしています
喘息や、がん、肺疾患、花粉症などの多くの症状に用いられる魚油ですが、
実際に効果があるかどうかについては十分な情報が得られていません。
癌に効く新しい健康食品!!ベータグルカンについて!!
ベータグルカンは、大きく分けてキノコ類、酵母類、海草類に含まれる糖です
キノコ類には、アガリクス・ハナビラタケ・ メシマコブ・ マイタケ
カバノアナタケ・ 霊芝・椎茸などに含まれます。
酵母類では、パン酵母・黒酵母・オーツ麦・大麦などに含まれます。
藻類ではフコイダンなどに含まれます。
ベータグルカンは、胃腸内で、食べ物からのコレステロール吸収を抑制して、
血中コレステロール値を低下させますが、これは経口で摂取する場合です。
ベータグルカンを注射で摂取すると、感染を予防する化合物の濃度を高め、
免疫組織を刺激し、様々な良い効果を引き起こす可能性があります。
がんに効く健康食品として知名度の高いアガリクスも、
このベータグルカンを含みますが、アガリクスには副作用報告も多いので、
アガリクスを摂るよりも、ベータグルカンをたくさん摂るほうが良いでしょう
ベータグルカンは、がん患者の生存率を増大したり、
コレステロール値を下げたりするといわれています。
またなんと、エイズやHIV感染患者の免疫組織を刺激し、
エイズ患者の寿命を延ばすとも言われています。
手術を受けた患者や外傷のある患者の感染を予防するために
このベータグルカンを注射するのも良いといわれています。
ベータグルカンが脚光を浴び始めたのは最近のことです。
その安全性は、短期間摂取する場合は、ほとんどの成人に安全のようです。
しかしながら十分な使用データが得られていないため、
皮膚へ塗布する場合の安全については不明です。
ベータグルカンを摂取するエイズ患者は,手足の皮膚が厚くなると言われています。
経口で摂取する場合は、1日15g以上,8週間以上は使用しないでください。
妊娠中や、授乳中の女性は使用してはいけません。
がんに効く健康食品はビタミンE!!
膀胱がんや乳がんにも効果があるといわれています!
ビタミンEは、体にとって重要なビタミンで、抗酸化剤です。
体内の多くの臓器が適切な機能を果たすために必要なビタミンです。
ビタミンEは脂溶性のビタミンで、食べ物ではサラダオイル・シリアル・
肉・鶏肉・卵・小麦胚芽油などに含まれます。
癌に対する効果として、膀胱がんの死亡率を低下させたり、
乳がん・乳がんに罹ったことのある人のほてりを改善したり、
すい臓がんや結腸直腸がんに効果があるといわれたりすることもあります。
そのほかにもビタミンEは、遅発性ジスキネジアという運動障害や
アルツハイマー病、慢性関節リウマチ、男性の不妊症、
妊娠中の高血圧、月経前症候群、パーキンソン病の予防にも効果的と言われます
しかし、ビタミンEは抗酸化剤なのですが、
ある種の抗酸化剤はがん治療薬の効果を弱めるおそれがあるといわれています。
本当に相互作用があるかどうかは不明ですので、
ビタミンEを摂る前には、医師や薬剤師の指示を仰ぎましょう。
健康食品は、製造している各社メーカーによって、その効果や含有量も様々です
信頼できる健康食品メーカーの製品を選びましょう。
がんの腫瘍を小さくして、がん細胞を増えないようにする抗がん剤、
代謝拮抗剤薬(anti-metabolites)(葉酸代謝拮抗薬)とは。
このタイプの抗がん剤は、がん細胞の増殖に必要な葉酸の働きを妨害します。
胃がんに対しては、5FUと一緒にこのタイプの抗がん剤:メソトレキセートを
注射する併用療法がよく使われています。
このように他の抗がん剤と併用することにより、
他の抗がん剤の効力が強まり有効率が高まることもあります。
このタイプの抗がん剤は、「時間依存性の抗がん剤」といわれ、
低容量を長期に投与したり何度も投与したりして使われる抗がん剤です。
DNAを直接攻撃するわけではないので、
正常な細胞をがん化してしまうような副作用もありません。
副作用の予防のために、次の葉酸製剤と併用することが多いです。
▼抗がん剤を手助けする薬!葉酸製剤
抗がん剤を手助けするための葉酸製剤とは。
これはビタミンの一種“葉酸”の活性製剤です。
この薬自体に抗がん作用はありませんが、
他の抗がん剤の毒性を軽減したり、作用を増強するのに有用です。
とくに、がんや白血病に対して抗がん剤の一つ:メトトレキサートを
大量使用する際にこの葉酸製剤を併用することは一般的です。
このタイプの薬の代表的なものとしては、
ホリナート(ロイコボリン・ユーゼル)が挙げられます。
がん細胞を、これ以上増やさないようにする抗がん剤、アルキル化剤とは。
がん細胞の中の分子(核酸やたん白)に対して、種々の電気陰性基を、
アルキル化する薬のことを抗がん剤の中でもアルキル化剤といい、
乳がんの治療にも使われます!!
アルキル化剤のがん細胞への作用の仕方は、
がん細胞の中のDNA直接攻撃する方法です!!
本来ニ本鎖であるはずのDNAを一本鎖にしたり、
二本鎖が分離できなくすることで、がん細胞の増殖を強く抑えてくれます。
DNAが二本鎖であることと、二本鎖がほどけることは
DNAの複製に絶対必要なことである為、
そこをBLOCKしてがん細胞が増えないようにする画期的な抗がん剤です。
このタイプの抗がん剤は「濃度依存型の抗がん剤」といわれ、
短期間にたくさんの量を使うことが可能です。
このタイプの薬の中の一つ・エンドキサンという薬は、乳がんの治療に
標準的な療法の一つとして組み込まれています。
抗生物質のアドリアシンや代謝拮抗薬の5FUやメソトレキセートと併用します。
このタイプの抗がん剤の特徴的な副作用として出血性膀胱炎があります。
これは、この薬が作用する時に、
尿路障害の原因となる物質を生成してしまう為に起こる副作用で、
予防のためには水分補給と尿量確保が重要となっています。
がんの腫瘍を小さくして、がん細胞を増えないようにする薬、
代謝拮抗剤薬(anti-metabolites)(フッ化ピリミジン系)とは。
まず、細胞の情報となるDNAというものがあります。
代謝拮抗薬とは、DNAを構成するプリンやピリミジンに似た構造を持つ薬です。
プリンやピリミジンと構造が似ているため、
がん細胞が増殖して、悪性腫瘍が大きくなる時に、
代謝拮抗薬がDNAに入り込んで腫瘍が増殖するのをBLOCK!!
そうして、がん細胞の異常な増殖や分裂を抑えることで、
がん細胞・悪性腫瘍が大きくならないどころか、時には小さくもなります!!
このタイプの抗がん剤は、「時間依存性の抗がん剤」といわれ、
低容量を長期に投与したり何度も投与したりして使われる抗がん剤です。
胃がんなど消化器がんに使われるもっとも基本的な抗がん剤で、
抗がん作用を強めたり副作用を軽減する成分が配合されている合剤は、
有効率もかなり高いです。つまり、よく効きます。
こののタイプ抗がん剤の副作用として、下痢や口内炎がみられますが、
重篤なものは少なく比較的安全性の高い抗がん剤といえます。
このタイプの抗がん剤の代表としては
・5-フルオロウラシル (5-FU)
・5-フルオロウラシル・テガフール(この合剤がユーエフティ:UFT)
・テガフール・ギメラシル・オテラシルK(この合剤がティーエスワン:ts-1)
・カペシタビン(ゼローダ)
・カルモフール(ミフロール)
・ドキシフルリジン(フルツロン)
・シタラビン(キロサイド)
・メトトレキサート(リウマトレックス)
が、挙げられます。
がんを殺せる抗生剤?!抗がん性抗生物質とは。
がん細胞の中に細胞情報を持つDNAというものがあります。
このDNAに入り込んだり、DNAの構造を変えることで、
DNAが増えがん細胞が増えるのをBLOCKするのが、抗がん性抗生物質です。
このタイプの抗がん剤の作用の仕方は、それぞれ様々です。
その為、それぞれの薬の持つ副作用も様々であると言えるでしょう。
例えば、このタイプの抗がん剤のひとつ・アドリアシンにおいては、
骨髄抑制に伴い血液障害という副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。
アドリアシンの大量使用時には、心機能のチェックが欠かせません。
しかし、このタイプの抗がん剤のうちファルモルビシンにおいては、
アドリアシンとは違って、心臓の副作用が少ないとされています。
抗がん剤として、単剤で使われることはほとんどなく、
多剤と併用して使うことが普通です。
ちなみに1953年に梅沢浜夫という日本人が発見したザルコマシシンが
最初の抗がん性抗生物質 (antitumour antibiotic) です!!
このタイプの抗がん剤で代表的なものは
・アントマイシンC
・ダウノルビシン(ダウノマイシン)
・ドキソルビシン(アドリアシン)
が挙げられます。
抗がん剤の副作用とは戦うことが可能です!!副作用を和らげる薬あります!!
その戦いの前に、まずは副作用のメカニズムを知りましょう。
抗がん剤は、がん細胞の増殖をおさえ悪性腫瘍を縮小させてくれます。
けれど一方で、その作用は正常な細胞にもおこりさまざまな副作用が起こります。
吐き気・嘔吐、下痢、口内炎、脱毛、皮膚炎、白血球減少、感染症、
腎障害、肺障害・・ときに命にかかわる重い副作用が起こることもあります。
1、骨髄機能の低下について?血液組成がおかしくなる?
原理としては、全ての抗がん剤の影響で、免疫系の抑制が引き起こるため、
骨髄機能が麻痺し赤血球や血小板など血球細胞を減少することが考えられます。
しかし赤血球や血小板の減少には、輸血を行うことで対応が出来ます。
好中球が減少した場合は合成G-CSFで補えます。
特に重篤な骨髄抑制が発症した場合には、
骨髄幹細胞(白血球および赤血球を作り出す細胞)が破壊されてしまうため、
家族や他者・自己骨髄移植が必要になることもあります。
自己骨髄移植とは、治療前に自分から取り出しておいた骨髄基幹細胞を増やし、
化学療法後に体に入れることです。拒絶反応が起こりにくい方法です。
他者からの骨髄移植ではドナー探しが必要となりますが、
同じタイプの骨髄を見つけることは非常に困難です。
2、抗がん剤による吐き気・嘔吐
抗がん剤など、異物が身体に入ると、生体をまもるために、
身体は、その物質を身体の外に吐き出そうとします。
抗がん剤などの薬物の情報を受け取る監視機能をもつ部位(CTZ)から
抗がん剤が体に入ったことという情報が嘔吐中枢に伝えられたり、
抗がん剤の刺激で、消化管からセロトニンという物質が嘔吐中枢を刺激したり、
そうすると強い吐き気や嘔吐が起きると考えられています。
通常の二日酔いや乗り物酔いとは、吐き気の起こるメカニズムが違い、
その吐き気の強さも日所に強いものですが、
いつその吐き気が起こるか、ということは比較的予想しやすいです。
3、脱毛
がんは、細胞の異常増殖によって広がっていきますが、
体の中では、正常でも増殖が盛んなところがあります。
毎日生まれ変わっては、死んでいく体の部位、、、
そうそれは頭髪や爪です。
細胞の増殖が盛んな部位は、抗がん剤の影響をうけやすく、
髪の毛を作る細胞・毛母細胞も、抗がん剤の影響で
がん細胞のように、増殖をしなくなってしまいます。
そのため、抗がん剤を投与中では、脱毛が起こりやすくなります。
脱毛は起こりますが、毛母細胞が死んでしまっているわけではないので、
化学療法を中止すると、また発毛が始まると考えられます。
がんの治療のための抗がん剤には副作用はつきものですが、
その副作用を軽くする薬はたくさんあります!!抗がん剤の副作用と戦おう!!
1、骨髄機能の低下に対する薬【血液がおかしくなったとき】
抗がん剤の重大な副作用として、骨髄抑制にともなう血液障害があげられます。
その中でも白血球が減少してしまう副作用・白血球減少症は大きな問題です
白血球とは、体に入りこんだ異物を殺す血球です
これが大幅に減りすぎてしまうと、風邪のウイルスや実に一般的な細菌で、
体の中が取替えしがつかなくなるまで蝕まれ、命を落とすことになります。
白血球が減りすぎると、抗がん剤の量を減らしたり、
抗がん剤の投与をやめたりしなくてはいけなくなりなります。
抗がん剤をやめると、がん細胞はどんどん増えていく一方です。
そこで、G-CSFという白血球を増やす注射薬が登場します。
白血球数が一定のレベルまで落ちたら、これを注射して白血球数を回復させます。
この薬のおかげで、より安全に強力な化学療法がおこなえるようになっています。
2、抗がん剤による強い吐き気や嘔吐のための薬
抗がん薬による強い吐き気や嘔吐をおさえるためには
乗り物酔いや、風邪の時の吐き気止めとは違う薬があります。
5-HT3受容体拮抗薬と呼ばれる薬です。
5-HT3受容体拮抗薬の作用のメカニズムを簡単に説明します。
嘔吐を引き起こすセロトニン(5-HT3)という物質があります、
その物質の伝達が起こらないように経路をBLOCKするのがこの薬です。
とくに即時型の悪心・嘔吐に大変よく効きます。
嘔吐の副作用が強い白金製剤でも8割くらいの人に有効です。
遅発性の悪心や5-HT3受容体拮抗薬でコントロールできない場合には、
普通の乗り物止めの薬が一緒に使われることがあります。
そのほか、ステロイド薬を併用したり、
心理的な要因がみられるときには安定薬も使います。